My Guitar 2 / Bacchus Live Road Model 2005.11〜
静岡県富士市にある文化屋楽器店によるショップオーダーで、長野に工場があるDEVISER製です。Les Paulタイプは前から欲しかった1本ですが、本家Gibsonのヒスコレは高くて手が出ないし、スタンダードじゃちょっと物足りない。かといって素人の私には中古で掘出物を見つける眼力もないし.....。そんなときふらりと寄った楽器屋で、Gibson Les Paul StandardとBacchusのLes Paulタイプを試す機会がありました。Gibsonの印象は、(前にも弾いたことがあるので正直に言って)「まぁ、こんなものかな」でした。
そこでBacchusに持ち替えるとこれが軽くてネックも細く握りやすい。肝心の音は・・・本家Gibsonとあまり変わらない、というよりか私には違いがよくわかりません。なのに値段は半額。店長曰く、「ブランド名を隠して弾き比べたらみんなこっちを選ぶんじゃないかな。」確かに素人の私にも弾きやすく感じたのです。
そんなわけでBacchusのLes
Paulモデルを何本か試しているうちに気がついたらオーダーしてました。でもせっかくなら本家Gibsonとは一味違う感じにしたかったので、ボディトップはキルトメイプル、カラーはナチュラル、ハードウェアをゴールドに。おかげで値段もグっと上がり、本家のスタンダードが買える位になってしまいました・・・。
納期は約3ヶ月、5月中旬の発注なので、夏には出来上がる予定でしたが3ヶ月経ち、4ヶ月が過ぎ、5ヶ月半後の10月末になってやっと手にすることができました。
出来上がってお店で手にしたときの第一印象は、「ちょっと重いな」でした。キルトメイプルは見る角度によって表情が変わりますが、表面をツヤ消塗装にしたので、ギラギラとした感じはなく控えめです。
肝心の音は中低域と倍音が効いたレスポールのあの音です。ボディ中央の厚み、ボリュームのあるセットネック部分が奏でるこの重厚なサウンドとサスティンが、これまで世界中の幾多のギタリストを魅了してきたのでしょう。
ダブルカッタウェイのギターしか弾いたことがない私にはハイフレット領域は弾きにくいのですが、それを補っても余りある魅力がこのギターにはあります。HistoricやAgedではないので今はバリバリに若い音がしていますが、これから弾き込むにつれてどんな風に音が変わっていくかが楽しみです。
コンデンサーの交換 2006.02
4ヶ月が経ち、若かった木も馴染んでチューニングも安定しギターらしくなってきたところで、初めて裏蓋を明けてみることにしました。キャビティー内部は丁寧に絶縁塗料でシールドされていて、国産のポットと配線の様子がわかります。ここで気がついたのはコンデンサがセラミック製でなんと小さいこと。
オイルコンデンサとまでいかなくても、もう少し大きいものが使われているだろうと思っていたので少しがっかりしました。しかし、逆に考えればこのコンデンサであの音が出るのはすごい!Bacchus恐るべし。
ポットはYAMAHA
Pacifica純正指定のCTSに乗せ換えたいところですが、国産とは異なりインチ規格なのでシャフトを通すために加工が必要です。いずれはポットからピックアップも含め手を入れていきたいところですが、今回は手っ取り早く貧弱なコンデンサを交換してみることにしました。巷ではバンブルビーやブラックキャットなど色々なものが話題になっていますが、とりあえず入手しやすいTOICHI製のVitaminQ復刻版をつけてみました。写真のように取付後はキャビティ内で一際目立ってその存在感を主張しています。
肝心の音ですが、クリーンサウンドでは以前に比べると全体に低域から高域までレンジが広がった感じです。BacchusのギターはGibsonに比べてやや低域が薄くトレブリーな印象がありますが、この交換で全体に音がややフラットに変わったようです。一方、ディストーションサウンドは、以前のトレブリーな感じに加え、さらにひとつ上の高い帯域が乗ったようです。一言で言うと少し硬い感じですが、印象は悪くありません。
とまあそれなりの効果はみられましたが、こんなマニアックな部品交換なんて部外者には理解してもらえそうにありません。例えてみればミニ四駆の駆動モーターを別売品に交換するようなのでしょうか。
ピックアップの交換 2007.04
フロント、リアともにSeymour
Duncanです。セオリーどおりフロントにはSH-1n '59 Model、リアにはSH-4
JBを載せました。ルックスを考えてBacchus純正と同じようにGoldカバータイプを通販で探して買いました。
当初はGibsonのBurst Bucker も候補に挙げていたのですが、リットーミュージックの「ギター・マガジン
ピックアップ・ブック」のCDで試聴したところ、Burst
Buckerはクランチにしたとき音の輪郭が今一歩はっきりしなくて好みではなかったのでやめました。
交換作業は自分でやることも考えましたが、作業中にせっかくのキルトメイプルトップにキズをつけてしまっては残念なので、プロにまかせて作業してもらいました。
交換後さっそく弾いてみたところ、以前と変わりピックアップのキャラクターがはっきりと出て、とても面白いギターになりました。Bacchus純正オリジナルハムバッカーもパワーがあって決して悪くないのですが、やや没個性で大人しく「色気がない」音だったのに対し、Seymour
Duncanは'59 Model、JBがそれぞれ異なる味付けで楽しめます。フロントの'59
Modelは、ウォームでふくよかな音がする一方、リアのJBはミドルにピークがあり倍音が豊かで少々暴れ気味な音、と違いがはっきりしています。これだけキャラクターが違うと、ピックアップの切替によるサウンドバリエーションもはっきりと出て、演奏中にアクセントをつけることができるようになりました。キャラクターが大きく異なる'59
ModelとJBですが、面白いことにフロント+リアのミックスポジションも両方のキャラクターが失われることなくなかなか使える音です。
さて、これから年月の経過とともにギター本体の乾燥が進み、ピックアップも序々に磁力が低下して、少しずつ「枯れた音」になっていくことでしょう。その過程を楽しんでいきたいと思います。
Body | Quilt Maple Top, Mahogany Back |
Neck | Mahogany (Set in Neck) |
Finger Board | Rosewood |
Scale | 24 3/4 inch(≒628mm) |
Bridge | Tune-o-matic, Stopbar Tailpiece |
Pickups | Seymour Duncan SH-1n Gold, SH-4 JB Gold |
Controls | Two volume, two tone, three-way switch |
Electronics | None |
Hard Ware | Gold |
Finish | Mat Natural (Lacquer) |